墨田区錦糸 食物の神様

墨田区の錦糸公園の一角にある千種稲荷神社(ちぐさいなりじんじゃ)は江戸時代から柳島の守護神として祀られていました。祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)で穀物、食物の神様です。江戸幕府から明治政府になって政府は陸軍糧秣廠本所倉庫をこの地に建設した際その敷地内にこの稲荷社があり、陸軍省は敷地整理に際し、この稲荷社を取り壊した処、その後倉庫並びに周辺に再三火災が発生し、陸軍省も面目問題として苦慮を重ね、後になり敷地内より取り払ったままになっていた稲荷社に気付き、旧位置に再建して祀り直した処、不思議にもその後火災等は全くなくなりました。大正十二年の震災には此の地一帯は、灰燼に化したが稲荷社には少しの被害を受けませんでした。東京大空襲の時も全く被害は無く沢山の人々が戦禍を免れたそうです。