「本所南割下水(亀沢1~2丁目)付近には夜になると二八蕎麦の屋台が出たが、そのうちの1軒はいつ行っても店の主人がおらず、夜明けまで待っても現れず、その間、店先に出している行灯の火が常に消えているというもの。この行灯にうかつに火をつけると、家へ帰ってから必ず不幸が起るという。やがて、この店に立ち寄っただけでも不幸に見舞われてしまうという噂すら立つようになった。」本所七不思議の「明かりなし蕎麦」というはなしです。
逆に「消えずの行灯(きえずのあんどん)」といって、誰も給油していないのに行灯の油が一向に尽きず、一晩たっても燃え続けているという話もあり、この店に立ち寄ると不幸に見舞われてしまう」というヴァージョンもあるそうです。正体はタヌキの仕業ともいわれており、歌川国輝による浮世絵にはこの説に基づき、燈無蕎麦の店先にタヌキが描かれています。