神葬祭の参列マナー

神葬祭(しんそうさい)とは、神道の教えに基づいて行われる葬儀のことです。仏式とは異なる儀礼や用語がありますので、参列する際は神道ならではのマナーを理解しておくことが大切です。以下に、神葬祭に参列する際の基本的なマナーをご案内します。


神葬祭とは

神葬祭は、故人の魂を「祖霊」として神の世界へお送りする神道の葬儀です。通夜にあたる「通夜祭」、葬儀告別式にあたる「葬場祭」、その後の「埋葬祭」「帰家祭」など、複数の儀式を通じて執り行われます。


神葬祭の参列マナー

1. 服装

  • 一般的には仏式と同様、黒を基調とした喪服を着用します(男女ともに)。

  • 数珠は必要ありません(神道では用いません)。

2. 持ち物(香典)

  • 仏式の「香典」にあたるものは「玉串料(たまぐしりょう)」と表記します。

  • のし袋は白無地に黒白の水引が基本です。

    • 表書き:「御玉串料」「神饌料(しんせんりょう)」など

3. 焼香の代わり:玉串奉奠(たまぐしほうてん)

  • 玉串(榊の枝に紙垂を付けたもの)を神前に捧げる儀式が中心です。

  • 奉奠の手順(一般的な流れ):

    1. 玉串を神職から受け取り、軽く一礼

    2. 左手を下、右手を上にして胸の高さで持つ

    3. 神前に進み、玉串を時計回りに90度回し、根元が神前になるようにして供える

    4. 二礼二拍手一礼、その際二拍手は音を立てずに無音で行う(忍び手)のが葬儀時の作法)

4. その他の注意点

  • お焼香やお念仏など仏教的な所作は行わない

  • お数珠を持参したり、手を合わせたりしない(手は自然に下ろす)

  • 通夜祭・葬場祭ともに、神職や遺族に失礼のない静かな態度を保つこと